暮らしに真鍮という選択。定番マリンランプから洗面まわりまで、オシャレな真鍮製品を一挙ご紹介。
昔から人々の生活のそばにある真鍮(しんちゅう)。 使い込むうちに生まれる柔らかな質感、ときを重ねて表面に現れる古調の雰囲気は、まるでその場所の歴史を留めるよう。 真鍮の特徴は加工のしやすさ。それゆえ、昔から職人たちの心や感覚に反応を引き起こし、工芸品や仏具、精密機械、船舶内装など、世界のデザインと実用を牽引してきました。 ここでは、取り入れやすい真鍮小物から人気のマリンランプまで、真鍮の魅力を実際の使用写真も交えながらご紹介。真鍮商品の開発に長年向き合ってきたゴーリキアイランドが実例解説。「生活の中に真鍮を置く」ことを考えている方必見です! ※2018年9月3日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2023年11月10日に再度公開しました。 真鍮(真ちゅう)って何?アルミ?ステンレス?鉄? 真鍮はアルミでもステンレスでも鉄でもありません。 銅と亜鉛の合金です。英語でbrass(ブラス)。ブラスバンドのブラスです。黄金色の光沢を放ちます。 真鍮の鋳造技術は古くローマ時代からと言われています。また、コロンブスの時代には、諸国交易のためヨーロッパ製の真鍮腕輪や真鍮首飾りが船に積まれ、東邦の地に持ち込まれました。 湿度や水分に対して高い耐性をもつ真鍮製品はその後、船舶の内装や照明に使われるようになります。航海という行為が一つ一つの信頼の積み重ねだとして、真鍮はその要求に足る素材だったのです。 三重・伊勢の強力造船所(1918年〜、現ゴーリキ)にルーツをもつ弊社ゴーリキアイランドも、真鍮の魅力を早くに知るに至り、船舶にとどまらず日本の建物や住宅向けに真鍮商品の開発・販売を行ってきました。 磨くもよし、磨かぬもよし 真鍮には、「無垢」、「無垢材」という表現が使われることがあります。 それは、錆びにくく、表面塗装をしなくても製品として長く使い続けられるから。 表面の酸化被膜のおかげで色味の変化が生まれますが、それは鉄の赤錆びのような露骨なサビとは異なります。例えるなら、ヒノキの飴色の変化のよう、使い込んだ革小物のエイジングのよう。 生活をともにした分の愛着が生まれる、これが真鍮にも当てはまります。 磨いて被膜を取れば、買いたての輝きが戻るという特徴も(但し無垢製品に限る)。 磨くもよし磨かぬもよし。それが、真鍮のお手入れです。 もちろん表面塗装した商品も弊社は多く取り扱っています。表面に酸化を防ぐ塗装をあらかじめ行っているので、真鍮の重厚感を残しつつ、色の大きな変化を生じさせません。新築用などで多く使われています。 無垢か、塗装か。どちらを選ぶとも、モノと暮らすあなたに新しい時間の流れを与えてくれるはず。 真鍮の経年変化 では、真鍮無垢の色の変化とはどのようなものでしょうか。 商品の紹介を交えながら真鍮商品の色の経年変化を弊社ならではの実例写真でご確認ください。 マリンランプ 弊社人気商品で、外で使うことを前提としたガーデンライトです。いわゆる、外灯、門灯などです。 下の写真は『700201 BH1000 CL LE』という商品で、野外に設置して約3年経った状態です。 使用前の写真は上の商品名のリンクからご確認いただけます。始めは磨き上げた綺麗な金色であることがご覧いただけます。 この商品は無垢の真鍮素材を磨いただけのシンプルな仕上げ(真鍮磨き仕上げ)です。つまり無塗装、無垢。真鍮素材が剥き出しとなっている商品です。それが、年数とともに雨風にさらされることにより、光沢が落ち、段々と渋みが出て、真鍮独特の味わい深い色調に変化していきます。 こちらは本社入り口の脇の花壇に設置されているもの。オプションのポールを組み合わせて高さの調整ができるので汎用的に使えます。 ブラスレター(真鍮製の英数切り文字) この郵便受けはG.BOAT表参道店開店当時から野外で使われているもので、5年ほど経ちます。(G.BOAT表参道店は2021年3月に閉店しております。) こちらは真鍮クリアー仕上げ(記号:CL)で、無垢の真鍮素材を磨いた後、クリアー塗装を施した商品ですが、継続して使用することでクリアー塗装が剥がれてゆき、真鍮表面が黒っぽく変色している箇所もあります。 ときに雨風に曝されてきましたが、鉄錆びのような変化は見られません。 このブラスレターの新品商品がこちらです。 アルファベットだけでなく、数字の取り扱いもございます。 興味のある方はこちら『BRASS LETTER(切り文字)』でご覧いただけます。 蛇口、水栓 こちらの商品もG.BOAT表参道店の店内で使われている商品です。新品はこちら『870622 水栓 OB1 HL』で確認できます。 無垢の真鍮に焼き付け塗装を行い、アンティークな仕上げを施した後に、変色防止の加工を行っております。耐久性は高く、お手入れも乾拭き程度です。 カード立て このカード立てにはストーリーがあります。 実は弊社の本社ゴーリキアイランドは4年前まで三重・伊勢の大湊というところにありましたが、2014年の台風による高潮で本社屋・倉庫が浸水し、現在の場所に移転しております。 そのとき、倉庫で海水に浸かった商品の一つで、アウトレット品として販売しているものです。 このような錆びを帯びた商品のお客様のニーズもございましたため、今回特別にG.BOAT表参道店限定で販売しております。 ※通常のお手入れの範囲でこのように変化することはありません。 新品はこちら『660983 カード立て サンフラワー』でご覧ください。 キャンドルスタンド 廃盤となり現在新品の販売はされておりませんが、こちらの写真は展示品として別の場所で長年展示されていた同じ商品です。2つを見比べていただくと経年変色の違いがお分かりいただけます。 左のキャンドルスタンドはおそらく湿気の多い場所に保管されていたようで、緑青(ろくしょう)と呼ばれる錆が部分的に発生しています。一方、右のキャンドルスタンドは全体が均一な酸化により、真鍮の色が渋みを増した味わい深いものになっています。 この違いが真鍮を楽しむ醍醐味であります。どちらが良いかは人によって異なると思います。正解ではなく、好みです。時間をかけて自分好みに真鍮を育てる、なんて豊かな時間なのでしょう。これを知ると真鍮を育ててみたくなりませんか? ちなみに現在、このように展示品等で経年変色したものをオンラインショップG.BOAT及びG.BOAT伊勢店にてアウトレット販売しております。なるべくアウトレット品は実物を見て購入していただきたいため、品揃えは実店舗に多く置いております。 伊勢神宮などお近くにお越しの際にぜひ立ち寄ってみてください。 さまざまな仕上げ さて、真鍮素材の経年変化の様子をご紹介しましたが、表面塗装した商品も取り扱っていることをお忘れではないでしょうか。 お客様のお好みに合わせて選んでいただけるよう、無垢材の真鍮素材に様々な仕上げを施した商品を揃えています。その中でも人気のある仕上げ(色)を、店舗での展示品や、商品使用実例の写真を使ってご紹介いたします。 アンティーク、ヴィンテージ、レトロ調 これは『700483 BR1784 AN BU』という商品。塗装タイプは真鍮古色仕上げ(記号:AN)。 無垢材の真鍮素材に古色調の塗装を何層も重ね、それをさらに剥ぎ取るという工程をいれることで完成する仕上げです。艶消しの古美色で独特な風合いをはじめから備えています。 真鍮の経年変化の雰囲気をあらかじめ加工によって出している商品です。野外で使ってもその状態が維持されるため、アンティーク調やヴィンテージ加工をお好みの方に人気です。 塗装の特徴もさることながら、ガラスの中に閉じ込められた気泡たちも可愛い。 次にこちらは『610852 フック シングル ML